保育士がやりがいを感じる瞬間とは?魅力や大変なことと併せて解説
保育士は子どもを見守り、その成長をサポートするやりがいのある仕事です。しかし子どもと楽しく過ごすだけでなく、大変な面もあります。
そのため、保育士を目指すべきか迷っている方もいるでしょう。
本記事では、保育士がやりがいを感じる瞬間や魅力を解説します。同時に仕事における大変なことについても触れるので、保育士を目指す際の参考にしてください。
保育士がやりがいを感じる瞬間
保育士は大変さと同じくらいやりがいを感じられる仕事です。ここでは、保育士がやりがいを感じる瞬間を5つ紹介します。
子どもたちの笑顔を見られたとき
保育士がやりがいを感じられるのは、子どもたちの笑顔を見られた瞬間です。
保育所にはさまざまな性格や個性を持つ子どもたちがいるため、一人ひとりに対応することは大変でしょう。しかし子どもたちの笑顔を見ているだけで、幸せな気分になれるという声もあります。
子どもたちが笑顔で登園してくる姿を見れば、「今日も一日頑張ろう!」と前向きな気持ちになれます。ときには反抗されることもありますが、それでも笑顔の多い環境で働けるのは魅力の一つです。
子どもたちの成長が感じられたとき
保育士は子どもたちの成長を間近で見られる仕事でもあります。
同じような毎日を過ごしているようでも、子どもは日々成長しています。そのため、保育所で過ごす時間の中で、初めてのことができるようになる子どももいるでしょう。
例えばつかまり立ちしていた子どもが初めて歩けたり、内気な子どもが自分から話しかけて輪に入れたりなど、子どもの成長を間近で目の当たりにします。
さらに卒園していく子どもたちを見送るときにも、成長を感じてやりがいにつながるでしょう。
保護者との信頼関係が築けたとき
保育士の仕事には、保護者とのコミュニケーションが重要です。最初からうまくコミュニケーションを取れなくても、保護者との信頼関係が築けた際には大きなやりがいを感じられるでしょう。
保護者との信頼関係を築けば、育児や子どもとの接し方を相談されることもあります。
本当に信頼している相手でなければ、子どもの相談はなかなかできません。保護者からの相談は、保育のプロとして任せてもらえている証拠なのです。そのため、保護者との信頼関係はやりがいと同時に、保育士としての自信にもつながるはずです。
イベントが成功して達成感を得られたとき
保育所では運動会や発表会など、さまざまなイベントが年間を通して行われます。こうしたイベントが成功して達成感を得られたときも、やりがいを感じられる瞬間の一つです。
イベントが近づくと通常業務に加えて、当日の準備も必要になります。残業や持ち帰りの業務が一時的に増える場合もあるでしょう。
しかしイベント当日に楽しんでいる子どもたちを見ると、その苦労も報われる気持ちになります。また苦労してイベントを準備してきたことで、成功後の達成感も大きくなるでしょう。
社会への貢献を実感できたとき
子どもの成長をサポートする保育士の仕事は、社会貢献にもつながっています。
近年は少子高齢化や核家族の増加で、多くの世帯が共働き世帯です。幼い子どもを持つ保護者にとって、保育所や保育士の存在は欠かせません。
つまり保育士の役割は子どもの成長をサポートし、間接的に保護者の仕事を支えることにもなります。保育士の仕事は社会に貢献しているのです。
そのため社会貢献を実感できたときにも、やりがいを感じられるでしょう。
保育士の魅力
ここまで、保育士がやりがいを感じる瞬間について解説してきました。次に、保育士には他の職業にはない魅力があることを紹介します。保育士の仕事に興味がある方は、どのような魅力があるのか確認してみましょう。
子育てに悩む保護者をサポートできる
保育士の仕事には、育児に関する専門的な知識や技術が必要です。そのため前述の通り、子育てに悩む保護者からアドバイスを求められる場合があります。
専門家として悩みを抱える保護者に適切なアドバイスをすることも、保育士の大事な仕事の一つです。保護者の悩みを解決できれば、自分の自信にもつながります。
また保護者から直接感謝される場合もあるでしょう。このように、保護者をサポートしていると実感できれば、保育士の魅力にも気付けます。
子どもとの関わりで自分も成長できる
子どもとの関わり方に正解はなく、適切な接し方を探るため常に考え続けることが必要です。子どもたちとうまく関われるようになれば、自分自身の成長にもつながります。
保育士の仕事は多岐にわたるため、得意分野が見つかれば、自分の能力を存分に発揮できるでしょう。
また最初は苦手だった業務をこなせるようになれば、自分の成長を実感できるはずです。保育士の仕事は大きな責任を伴いますが、その責任感が自分を成長させてくれるのです。
保育所の他にも働ける場所がある
保育士の職場は保育所をイメージしがちですが、他にも働ける場所がたくさんあることも魅力の一つです。例えば以下のような場所で保育士は働いています。
- 児童養護施設
- 児童発達支援センター
- 託児所
- 幼児教室
- 乳児院
- 母子生活支援施設 など
保育所以外の場所でスキルを生かして働きたいと感じた場合でも、このように幅広い選択肢から職場を選べるのが保育士の特徴です。
これらの施設で働くには保育士資格が必須ではない場合もありますが、資格があると優遇してもらえる可能性があります。
このように保育士を求める施設が多いことも、保育士として働く魅力の一つといえるでしょう。
保育士として大変なこと
保育士はやりがいや魅力がある仕事ですが、もちろん大変な部分もあります。例として下記の5つのポイントを解説します。
仕事量が多く体力的にきついと感じる
保育士の仕事は仕事量が多く、体力的にきついと感じることが大変な面の一つです。
保育士は子どもをサポートするだけでなく、事務作業や保護者対応までこなさなければなりません。元気いっぱいの子どもたちと一日を過ごすだけでも、体力を消耗します。
さらに職場によっては早番・中番・遅番の3交代制のところもあり、労働リズムがつかめず体調を崩してしまう方もいるでしょう。
また勤務時間内に仕事が終わらなければ、仕事を自宅に持ち帰る場合も考えられます。
仕事には大きな責任が伴う
保育士は大事な子どもを預かるため、仕事には大きな責任が伴います。
保育中の事故や子ども同士のけんか、急な体調不良に配慮しなければなりません。大人にとっては些細なことでも、重大な事故につながるリスクがあるのです。
また災害や不審者の侵入が起きた場合には、子どもの安全を最優先に考えた行動を迅速に取る必要があります。仕事中は不測の事態に備えて、常に気を配らなくてはなりません。
経験を積んだベテランの保育士でも、この責任の大きさはプレッシャーとなるでしょう。
職場の人間関係に悩む場合がある
厚生労働省の調査によると、保育士が退職した理由の33.5%が職場の人間関係によるものです。
人間関係に悩む原因として、同性の職員が多い閉鎖的な空間だと感じるケースが挙げられます。保育士として働く方の95.8%が女性であり、全体の54.8%が女性職員のみの施設です(※)。
また人手不足が続く状況によって人間関係がこじれることもあります。人間関係はすぐに修復するのが難しく、悩みながら働いている保育士は少なくありません。
※参考:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」P24,28
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf ,(参照2024-07-23).
保護者対応がうまくいかない
保育士の仕事の大変さを感じる要因の一つに、保護者対応に苦労するケースがあることが挙げられます。
保育士が子どもの成長をサポートするには、保護者との連携が必須です。実際に送迎時や懇談会など、保護者と関わる機会は多くあります。
しかし言葉の行き違いや思い違いなどが原因で、トラブルが起こる場合があります。また保護者との相性が合わず、クレームに発展するケースもあるでしょう。
保護者対応がうまくいかず、離職を考える保育士もいるようです。
自由に休暇が取れない
保育所の労働形態は、年中無休や夜間預かりの有無などによりさまざまです。そのため勤める保育所によっては、自由に休暇が取れない場合があります。
保育士は人材不足が問題となっており、休暇申請が通りにくい職場も少なくありません。特に同僚が休職していたり、産休を取っていたりすれば、人員の穴埋めができず、一人ひとりの負担が大きくなるケースもあります。
このような休暇の取りにくさやプライベートの時間を確保しにくいことも、保育士が大変だと感じる理由の一つです。
保育士に向いている方の特徴
保育士に向いている方の特徴を3つ紹介します。自分の性格と照らし合わせ、保育士に向いているか確認してみましょう。
子どもの気持ちに寄り添える
保育士に向いている方の特徴の一つは、子どもの気持ちに寄り添えることです。
子どもは好奇心旺盛であり、新しいものを見つけたらすぐに報告してくれます。その際、子どもの気持ちに寄り添って、反応してあげることが大切です。
また子どもは些細なことでも疑問を感じ、大人に尋ねてきます。そのような子どもの疑問を受け止めて、一緒に考えて解決することで成長をサポートできるでしょう。
そのため、子どもの気持ちに寄り添う姿勢が保育士には必要なのです。
コミュニケーション能力がある
保育士として働くには、コミュニケーション能力も求められます。
仕事中には子どもから大人まで、幅広い年代の方とのコミュニケーションが必要です。また、同僚や子どもの保護者だけでなく、地域の人々と関わる機会もあります。前述の通り、特に保護者との連携は欠かせません。普段から積極的なコミュニケーションを心掛ける必要があります。
従って保育士を目指す方は、コミュニケーション能力の向上を意識しましょう。
体力や健康に自信がある
保育士の仕事は体力勝負であり、体力に自信がある方に向いています。
子どもたちは元気いっぱいに走り回るので、保育士には体力が必須です。子どもを抱っこする機会は多く、重いものも運ぶため体力はある方が有利でしょう。
また子どもの間ではウイルスが蔓延しやすく、保育士には健康管理も求められます。自分自身が感染して、子どもにうつさないよう配慮しなければなりません。特にインフルエンザやノロウイルスが流行する時期には、注意が必要です。
保育士に向いていない方の特徴
保育士に向いていない方の特徴は以下の通りです。
- コミュニケーションを取るのが苦手
- 自分から積極的に動けない
- 潔癖で汚れが気になる
保育士は子どもと密接に関わりながら成長をサポートする仕事です。そのため、子どもだけでなく、同僚や保護者との積極的なコミュニケーションが求められます。従って、コミュニケーションが苦手な方には向いていないでしょう。
また子どもは予測できない行動を取ることがあり、常に柔軟な対応が必要です。自分から積極的に動けなければ、対応が遅れるでしょう。
さらに保育の現場では、子どもと泥だらけになりながら遊ぶ機会があります。潔癖で汚れが気になる方も向いていないかもしれません。
社会人から保育士へキャリアチェンジする方の割合
保育士へのキャリアチェンジを目指す場合、年齢が気になる方もいるでしょう。しかし保育士に年齢制限はなく、保育士資格を取得すれば働ける可能性があります。
また未経験であっても子育て経験や前職のスキルなどを生かせば、保育の現場で活躍できるでしょう。
社会人から保育士を目指すには?
社会人から保育士を目指すには、まず保育士資格を取得しなければなりません。ここでは、保育士資格の概要や取得方法を紹介します。
保育士資格があれば年齢や経験は関係ない
保育士資格の取得には年齢制限がなく、何歳からでも保育士を目指せます。ただし、保育士資格を受験するには受験資格を満たさなければなりません。
基本的に大学・短期大学を卒業している方であれば、受験資格があります。専門学校を卒業した方は、卒業した学校が学校教育法に基づいた専修学校であり、修業年限2年以上の学校である場合のみ、受験資格があります。
現時点で受験資格がない場合でも、児童福祉施設での2年以上かつ2,880時間以上の実務経験を経ることで、受験資格を得られます。
保育士資格を取得する2つの方法
保育士資格を取得する方法は、主に2種類あります。一つは厚生労働大臣が指定する指定保育士養成施設を卒業する方法で、もう一つは年に2回実施される保育士試験を受験する方法です(※)。
ただし保育士試験の受験資格を得るには、実務経験が必要な場合があります。従って専門知識を身に付けて保育士を目指したいなら、指定保育士養成施設を卒業するのがおすすめです。
仙台青葉学院短期大学のこども学科では、保育士の資格や幼稚園教諭二種免許などを取得できます。この学科では、保育の専門知識や技術の習得だけでなく、対人関係能力やコミュニケーション能力を養えるのが特徴です。
保育士を目指す方は、ぜひ仙台青葉学院短期大学のこども学科をご検討ください。
※参考:厚生労働省「ハロー未来の保育士」
https://www.mhlw.go.jp/hoiku-hellomirai/shikaku/ ,(参照2024-07-23).
保育士は大変だけど、やりがいや魅力もある仕事
保育士は子どもの成長や保護者をサポートする大変な仕事です。その一方で、子どもの成長に喜びを感じられるため、やりがいや魅力もあります。子どもが立派に成長する姿を間近で見られるのは、保育士ならではの魅力といえます。
保育士として働く中で、つらい経験をすることもあるかもしれません。しかしそうした困難を乗り越えることで、自分自身の成長にもつながります。
また前述の通り保育士に年齢制限はないので、社会人から興味を持った方も、保育士になるチャンスがあります。保育士に興味を持った方は、実践力を身に付けられる保育士養成施設に通うのがおすすめです。