得意な英語を生かせる学部は?大学の選び方や注意点も解説
英語が得意な人がそのスキルを大学で生かすには、国際系の学部しかないのではないかと思っている方もいるでしょう。しかし英語をスキルの一つとして生かせる大学や学部は、文系のその他の学部や理系大学・学部まで多岐にわたります。そこで本記事では、得意な英語を生かせる大学や学部、大学の選び方や注意点を解説します。
得意な英語を生かせる学部12選
英語が得意な方は、さまざまな学部で英語力を生かす機会があります。英語は外国語や国際系の学部だけにとどまらず、幅広い学部や分野で生かせます。
英語を生かせる学部は多数ありますが、一例として12種類の学部について解説します。
外国語・国際系の学部
英語を生かせる学部として、まず多くの人が連想するのが外国語や国際系の学部ではないでしょうか。これらの学部は英語などの外国語を学んだり、外国語を生かして世界の社会や経済などを学んだりできます。
1.外国語学部
英語を生かせる代表的な学部が、外国語学部です。英語をはじめとした外国語を専門的に学ぶ学部で、英語の場合は「英米語学科」や「英語学科」など大学によって学科の名称が異なります。
外国語学部では専攻する言語を使いこなすため、「リスニング、スピーキング、リーディング、ライティング」の4つの要素を身に付けます。これらの基礎が身に付いたとしても、外国語でのコミュニケーションが円滑に取れるものではありません。言語は、その国の文化や歴史などを理解していなければ、意思の疎通ができないことがあるからです。
そのため、外国語学部では言語そのものや言語を研究する言語学を学ぶことに加えて、語学を通した文化や歴史、社会を深く学ぶ地域研究、言語構造や言語の成り立ちなどの研究なども行うのも特徴です。
留学生が在籍している割合が高く、英語を母語とする人とコミュニケーションを取る機会も多いので、外国語学部は実践的な語学力を身に付けたい人、世界情勢や言語そのものに関心がある人におすすめです。
2.国際学部
国際学部は、外国の社会や政治、経済などを学べる学部です。言語を学習・研究するよりも、国際社会において国家間で生じることがある問題をさまざまな視点から研究するのが、外国語学部と異なる点です。このような国際系の学部は、「国際関係学部」や「国際教養学部」「国際コミュニケーション学部」など学ぶ内容によって名称が異なります。
諸外国に関わる学部であるため、国際学部でも英語などの外国語の習得が含まれますが、言語を専門的に研究する外国語学部に対し、国際学部では言語を学んだ上で国際的な政治や経済、文化などを専門的に学んでいきます。
外国語学部の場合は一つの言語を専攻して学びますが、国際学部は国際社会全体に関わる学問なので、基本的に特定の国や地域を決めることがありません。そのため、国際学部は外国語を学びつつ国や地域を限定せずに広く世界について学びたい人、国際関係や政治・経済、国際紛争に関心がある人に向いています。
3.文学部(英文学科、英米文学科)
文学部で英語を生かせるのは、英文学科や英米文学科です。文学部でも言語を学びますが、さらに文学を研究するのが外国語学部との違いです。
文学部では、それぞれの言語の文学作品を取り上げ、内容や作品の本質、思想などを、文化や歴史などを踏まえて探ります。原文を読んで理解するための英語力が欠かせないため、文学部では英語のスキルアップのための授業が充実しているのが特徴です。
英文学科や英米文学科で定番となるのはシェークスピアなどの古典文学ですが、古典文学だけにとどまらず現代文学や現代演劇、現代美術などが研究対象となることがあります。文学部は、外国語を用いて外国語作品を理解し、研究する学部なので、文学や演劇、映画などの海外の文化に興味や関心を持っている人、海外作品を深く知りたい人に向いています。
外国語・国際系以外の学部(文系)
英語を生かせる学部は、外国語がメインの学部以外にも多くあります。以下では、英語を生かせる外国語系学部以外の文系学部をご紹介します。
4.経済学部
経済学部は、家庭や企業など比較的身近な場所をはじめとして、国や世界までを対象にお金の動きや流れを歴史や理論、実証という分野で研究する学部です。経済学部はお金がどう動くかのみ見ているというイメージがありますが、人や物の動きや流れも研究対象です。その中でどのような問題があり、何をすれば解決できるのかを探ります。経済を研究する対象が世界全体であるため、経済学部でも英語のスキルが生かせます。
経済学部はデータ分析が好きな人、世界の経済に関心がある人などに向いている学部です。
5.経営学部
経営学部は、経営の仕組みやマーケティングを学ぶ学部です。企業の視点から経営戦略や組織戦略、販売戦略など企業活動を広く研究し、企業内の問題や経営内容などを分析します。また経営方法やマーケティングを通じて、企業経営に必要な実践的な知識やノウハウを身に付けられます。
経営学部はビジネスに深く関わる学問を学ぶため、広い視野で経営方法を研究するためにも英語のスキルが求められます。
経営学部は経営そのものを学べる学部なので、企業の経営を学びたい人、経済に興味がある人に向いています。
6.商学部
商学部は、商品やサービスの売買によって発生するお金の流れや仕組みについて学び研究する学部です。商品の流通や販売、商品開発、マーケティングなどの他、市場調査などを学びます。商学部は、消費者の目線に立った経済活動を学ぶカリキュラムであることが、経済学部や経営学部との大きな違いです。
商学部でも、国際的なビジネスについて研究する場合があるため、英語力が生かせます。現代では国内企業であっても海外とのコミュニケーションが求められるため、商学部ではビジネスシーンに対応できる英語力を身に付けるためのカリキュラムを用意している場合もあります。
商いをする上で知っておくべき商業の仕組みを深く学べるので、税理士や公認会計士を目指す人、小売業に関心がある人などに向いています。
7.法学部
法学部では、主に法律について学ぶ法学を学びます。大学によっては、後述する政治学部と共通する政治学を学ぶこともあります。一見英語に関わりがないと思われがちですが、法学部の中でも国際系の学科であれば国際政治や国際協力、国際開発などに関わることがあるため、英語は無関係ではありません。
また法律に関する専門書や論文は英語で書かれていることが多く、国際的な問題に関わる際は英語が必須となるため、英語の読解力やコミュニケーションが求められます。
法学部は、弁護士や検事、裁判官を目指す人の他、貿易に必要な法律の知識を得られるため商社やコンサルを目指す人に向いている学部です。
8.政治学部
政治学部は、地方自治から国の政治、外国の政治制度などを学び研究する学部です。大学によっては、法学部政治学科でこれらの政治に関する学問を学べます。国の方向性を定めるための政治行動や施策、政治思想などを研究することもあります。
英語は国際政治や各国の政治制度を研究する場合などに活用できるので、英語力が生かせる学部といえます。
政治政策を学ぶ学部なので、政治学部は政治家や公務員を目指す人、地域の人のために役立ちたいと考える人に向いています。
9.文学・芸術学部
文学・芸術学部は文学部の要素が強い学部ですが、文学部とは異なり芸術を学ぶことがメインの学部です。芸術の歴史や理論、技能を学べる学部で、美術や音楽の専門家を目指せます。
美術の場合は美術の原書、音楽の場合は曲や文献の研究などで英語などの外国語が必要なので、英語力を生かせるでしょう。
芸術を主に学ぶ学部なので、学芸員を志望する人や画家、デザイナー、音楽家などのプロを目指す人に向いています。
外国語・国際系以外の学部(理系)
英語を生かせる学部は、文系学部だけではありません。理系学部で英語を活用できる代表的な学部は、以下の3つです。
10.工学部
工学部は、部品や機械、コンピュータなどのものづくりに必要な知識や技術を学ぶ学部です。取り扱う学問の分野が広く、工学部の中でコンピュータやロボット、建築など細分化した学科が設置されていることがあります。
工学部で必要となる資料や論文は、英語で書かれていることがほとんどなので、最新の技術や情報を知るために英語力が必要です。
ものづくりに関わるカリキュラムが組まれているため、エンジニアや建築士を目指す人に向いている学部です。
11.理学部
理学部は、自然地理や物理、化学などを学べる学部です。大学によっては「理工学部」として工学部と同じ学部として取り扱われることがありますが、ものづくりを学ぶ工学部に対し、理学部は理論的に自然科学を解明する研究色の強い学部であることが異なる点です。
理学部も工学部と同様、資料や論文など英語で書かれているものを読んだり、英語で論文を書いたりする必要があるため、英語力が活用できます。
理学部は、研究者を目指す人、自然や化学を専門的に研究し続けたい人などに向いています。
12.農学部
農学部は、動物や野菜、植物などの生産を学び、人々の食を支える学問を学べる学部です。生産流通やバイオテクノロジー、品種改良などの専門学科で、さらに細かく分類されます。
農学は海外との関わりが深い学問です。実習やフィールドワークで海外へ行く機会が出てくることがあります。また、農学部でも論文読解や執筆で英語を使用するので、英語力を生かせるでしょう。
農学部に向いているのは、生き物が好きな人、食に関する専門的な知識を生かして働きたい人などです。
英語が得意な人の大学の選び方
外国語・国際系か、それ以外の学部かを比較する
英語が得意な人が大学を選ぶとき、文系の外国語学部か国際系学部を選択するものと考えていないでしょうか。しかし、ここまで解説したように英語を使う学部は文系に限らず、理系学部にも多く存在します。大学を選ぶには、まずは外国語・国際系またはそれ以外の学部を比較してみましょう。
英語を活用できるかどうかよりも何を学びたいのか、将来どのように英語を生かしたいのかを考えて、自分の方向性に合った大学を比較検討するのがおすすめです。
将来働きたい業界や業種、職種を考える
多方面で英語を活用できる学部は文系・理系ともに多くあるため、英語が得意というだけで大学や学部を選択することは簡単ではないでしょう。上記のように、学びたいことややりたいことが明確であれば学部の選択は比較的スムーズですが、学部の選択肢が多い場合、どこを選べばいいのか悩む原因となってしまいます。
大学では、学部ごとに将来の仕事やキャリアにつながる知識やスキルを学べます。英語だけに固執して大学を選んでしまうと、将来の活躍の場を狭めてしまうかもしれません。
そこで、大学を選ぶ際は将来働きたい業種や業界、職種を踏まえてみましょう。ある程度ビジョンが描けていれば、そこにつながる学問を学べる大学や学部を選びやすくなります。
入学試験で英語重視の大学を選ぶ
私立大学の一部の学部では、入学試験の英語の配点が高かったり英語のみで受験ができたりするなど、英語力を重視しています。他の教科よりも英語の点数配分が数割高い、または英語のみで受験できれば英語が得意な人にとっては有利になるでしょう。
英語が得意な人は、このような英語を重視した大学・学部を選ぶのも一つの選択肢となります。
英語が得意な人が大学を選ぶときの注意点
英語が得意な人に適した大学や学部は、外国語や国際系に限りません。英語の能力は、専門分野を学ぶ際に必要なスキルの一つです。英語という言語を深く学びたい、英語を使って国際関係を学びたいのであれば外国語や国際系を選択してもよいですが、文系、外国語・国際系に限定して考えてしまうと、本当にやりたいことができなくなる可能性があることが大学選びの注意点です。
しかし、その他にもやりたいことや将来なりたい職業がある場合は、英語にこだわらずに広い視野を持ち、自分の目的に合った大学や学部を選びましょう。
まとめ
得意な英語を生かして大学へ進学する際、外国語や国際系の大学・学部以外にも文系・理系で数多くの進学先候補があります。英語を生かすとなると文系の語学・国際系の大学や学部しかないと考えずに、視野を広げて興味や関心、将来なりたい職業などを踏まえて大学を選びましょう。
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